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2023.09.12

カテゴリ | お知らせ

猫のアルファリポ酸中毒🐱💊

明石市硯町のPremo動物病院です🎠

猫に危険な成分【 アルファリポ酸 】のお話です🗣️
α(アルファ)リポ酸はビタミン様物質で
人の医薬品やサプリメントとして
抗酸化作用や疲労回復の効果があるとして販売されていたり
犬用サプリメントに含まれている事もあります⚠️
動物用サプリメントで犬猫兼用の物と
犬用/猫用と分けられている物があるのには
こうした理由があります☝🏻❕

人や犬では問題なく服用、体内での利用が可能な
【 アルファリポ酸 】ですが、
猫にとっては中毒物質であり
摂取する事で重篤な急性肝障害を引き起こします🗯️

猫は人や犬の1/10量でアルファリポ酸での中毒を起こし、
体重1kgあたり13mg以上を摂取すると
重篤な中毒症状を引き起こすと言われています😨
標準的な体重3kgの猫であれば39mg以上の摂取で
危険な状態に陥る訳ですが、
人用のサプリメントの多くは
一粒に約100mg アルファリポ酸が含有されており
猫が誤って一粒食べただけでも中毒の危険性があり、
1kgあたり60mg以上の摂取で最悪の場合死に至ります⚠️

猫のアルファリポ酸中毒の症状は
摂取から早くて30分、数時間〜遅くても数日後に現れ、
・元気食欲の消失
・大量のよだれ
・嘔吐
・起立不全
・運動失調(歩けない)
・けいれん などの中毒症状を呈します。
肝障害が更に進むと肝機能不全による黄疸や
肝臓で代謝・解毒出来なくなった毒素が
神経や脳に影響を及ぼし神経症状を引き起こします🫨

摂取後間もない場合は催吐処置を行う事もありますが
猫はこの処置に対する反応が芳しくない事が多く
胃洗浄の為に全身麻酔が必要になったり、
アルファリポ酸の解毒剤は無いことから
静脈点滴や注射で肝機能の支持や治療、
解毒・排泄を促す為の注射、
その他現れている症状に対する治療など
入院での集中治療が必要になる事がほとんどです🏥

ただ、肝機能不全による症状(嘔吐や食欲不振等)は
様々な疾患で見られる事から、
『猫がアルファリポ酸を含むサプリメントを食べた』
という情報がとても大切になってきます🤝🏻
ご自宅で服用されているサプリメントや
同居犬に飲ませているサプリメントがあれば
成分を確認してみてください◎

そして一番大切なことは、
🔻人や犬用のサプリメントを猫に与えない
🔻猫の届く場所にサプリメントを放置せず
開けられない棚の中や鍵付きの扉の中に隠す
など正しい知識の理解と誤食させない工夫です🙌🏻

万が一食べてしまった場合は
ご自身の判断で様子を見る事は非常に危険なので
かかりつけの動物病院もしくは
診療している動物病院に相談してください📞
受診が必要な場合は誤食の可能性がある
サプリメントの袋をお持ちいただき
🔻何分前、何時間前に
🔻どのくらいの量食べたか
🔻現在出ている症状
を伝えるようにしてください🧐

一方では健康にとても良く、
一方では中毒症状を引き起こす、
動物種が異なると思いもよらぬ商品や成分が
命を危険にさらすことがあります😨
与えて良い物/与えて安全な物かどうかは
ご自身の判断に頼らず、
必ず動物病院に確認するようにしましょう🫶🏻